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下院司法委員会の犯罪・テロリズム・国土安全保障小委員会(Crime, Terrorism and Homeland Security Subcommittee) は4件の銃器関連法案を承認し、その後本委員会が審議した。これらの法案のうち2件は報告が要請された。そのうち1件は下院を通過した。
H.R. 5092 は犯罪・テロリズム・国土安全保障小委員会委員長であるハワード・コーブル下院議員と、同小委員会の少数党幹部委員のロバート・スコット下院議員によって2006年4月5日に提出された。特に同法案は、銃器販売業者、製造者、輸入業者に対する連邦ライセンスの停止、取り消しを規定する銃規制法条項を、違法事務に対する罰金や刑罰をスライド式に設定することにより修正するものであった。しかしながら重大な違反に対するライセンス取り消しの選択は残すことになっていた。また同法案により、ライセンス保持者が違反の発覚を故意に妨害する場合を除いて、ATFが5年以上経過した法律違反に対して行政措置を講じることを禁じるものであった。
本法案の支持者は、これらの条項は連邦銃器ライセンス保持者が、現行法ではライセンス取り消しになり得る実体のない記録の保持の問題に対処する機会が増えることにつながると論じている。反対者はこの条項を緩和することでATFの権威の弱体化を招き、また業務の実体を持たない「台所の卓上」で取引を行う業者、つまりライセンスを受ける資格がない業者の数を減らす取り組みに水を差すものであると主張している。H.R. 5092 は2006年5月3日に犯罪小委員会で承認された。下院司法委員会は9月7日に本法案の報告を要請し、9月21日に報告文書(両院協議会報告書109-672)が提出された。下院は2006年9月26日に、記録投票による賛成277票、反対131票(記録番号476号)で本法案を可決したが、その後さらなる措置は取られなかった。
リッチモンド地域の銃展示会でのATFの取り締まり: H.R. 5092 には、DOJの監察総監局(Office of Inspector General)に対し、銃展示会においてATFによる銃器取り締まり活動の調査を行うことを義務付け、またこのような将来の取り締まり活動に適用される指針を確立することを司法長官に義務付ける条項が含まれた。下院司法犯罪小委員会は、2005年バージニア州リッチモンドで行われた銃展示会でのATFの銃器取り締まり活動を検証する監査公聴会を2回開催した。56 ATF局員が州および地方の警察官に対して身元調査記録(ATF書式4473)にある秘密情報を提供したことにより、これらの警察官は、この情報提供がなければ合法的に銃展示会で銃器を購入したと思われる個人の家宅調査を行うことができたと報告されている。またATF局員がこのような銃展示会で銃器を購入した者を、人種、民族、性別に基づいて人物査定したかどうかについても疑問が生じていた。
さらに銃展示会の参加者と主催者の双方およびATF局員から得た証言によると、銃購入者に対する銃器の押収が数件あり、その中の数件は違法押収の可能性もあった。ATF局員はリッチモンド地域で行われた銃展示会での取り締まりは、「ATFのベストプラクティス(最良事例)に一致した方法によって実施されなかった」57ことを認めており、その後、こうした事柄について、ATFの現地事務所に指導が行われた。
H.R. 5005 はラマー・スミス下院議員によって2006年3月16日に提出された。これは2006年3月28日に下院司法委員会の犯罪・テロリズム・国土安全保障小委員会によって開かれた公聴会の議題であった。本法案は2006年5月18日に小委員会で承認された。下院司法委員会は9月7日に法案の審議を開始し、2006年9月13日に報告を命じた。しかし報告書は提出されなかったため、この法案に対しそれ以上の措置は講じられなかった。H.R 5005 には、いくつかの主要都市の市長が反対している、銃火器の追跡データと拳銃の複数販売の記録に関連する項が含まれていたことは注目に値する。58
銃器の追跡データ制限の法制化:59 H.R. 5005 の条項の中で、最も議論を呼んだのはセクション9であった。これは善意の犯罪捜査以外のいかなる目的でも、銃器の追跡データと拳銃の複数販売の記録の開示を制限することを法制化するものである。同様の制限は2004会計年度以降のATF歳出法の文言に含まれていた。60 セクション9の支持者は、連邦銃器ライセンス保持者の業務記録は秘密に保持されるべきであると強く主張している。この支持者たちは、このような記録の入手は、犯罪を解決するためにATFの追跡要請を実施することを目的とする場合にのみ、連邦法に基づいて許可されるべきであるとしている。さらに銃器追跡データは、ニューヨーク市が起こした訴訟のような、銃器製造者や販売業者に対して提訴された公衆への迷惑行為に対する民事訴訟などへの援用を意図したものではないと主張している。61
マイケル・ブルームバーグ市長らセクション9の反対者は、地域の、そして全米の銃器追跡データを分析することによって無責任な銃の販売業者を「一斉検挙」して、連邦、州、地方の警察当局が「犯罪銃」の供給源や市場範囲についての情報を得られるようにするためには、あらゆる手段が必要である、と反論している。61 そして、セクション9が成立すれば、このような分析が阻止されかねないと主張している。ロバート・メネンデス上院議員とスティーブン・R・ロスマン下院議員は、ATFの銃火器追跡データと拳銃の複数販売報告の共有に対する2006会計年度歳出制限を無効にする同一の法案 (S. 2460およびH.R. 5033) を提出した。チャールズ・シューマー上院議員は同様の法案 (S. 2629) を提出し、さらにその法案 (S. 77) を第110議会に再提出した。
複数の拳銃販売記録規制: 拳銃の複数販売に関して、H.R. 5005 のセクション7は、銃売買業者によって司法長官あてに作成された拳銃の複数販売の報告書を、州および地方の警察当局に移管することを規定した条項を削除しうるものであった。賛成者は、州あるいは地方当局はこのような機密記録の取り扱いを誤ったことがあり、しばしば銃規制法で規定されている特定の認証要件を無視していると主張している。反対者は、このような報告書はしばしば違法の銃密売業者の手がかりとなるものであり、それが無いと重大な手がかりも見過ごされてしまうことになりかねないと反論している。
銃売買業者の廃業記録: H.R. 5005 のセクション8は司法長官に対し、廃業した銃販売業者の記録を、氏名あるいは個人識別情報によって電子的に検索することを禁じるものであった。「廃業」記録がATF全米追跡センター(ATF National Tracing Center)で紙からデジタル形式へ変更されていたのは注目に値する。賛成者はこのような禁止は、かつて連邦銃器ライセンス保持者だった者のプライバシーを守るものであり、この禁止は銃器のシリアルナンバーによる記録の検索にまで及ぶものではないと主張している。反対者は、このような記録の入手が可能であれば、さらに広範な銃密売その他の違法行為のパターンの発見に資するものであると反論している。
機関銃の部品一式とその他の物資の輸入: H.R. 5005 のセクション3は、米国政府に国家安全保障のサービス、およびそれらのサービスに関連する訓練を提供する請負業者、また試験、研究、設計および開発を目的とするメーカーに対して、機関銃と、その他特定のショットガンやライフル銃の所有、譲渡、輸入の制限を撤廃するものであった。セクション10は、拳銃以外の銃器について、修理、部品交換のための銃身、フレーム、尾筒の輸入の制限を緩和するものであった。これらの法案は、1938年NFAに基づいてライセンスを受け、他の銃器よりも連邦法によって厳しく規制されている機関銃などの破壊装置を取引するクラスIIIの銃販売業者からおおむね支持されている。
ブレイディー身元調査にかかる費用負担の禁止の法制化: 最後に、H.R. 5005 のセクション5は、過去8年間(1999会計年度から2006会計年度まで)のDOJ歳出法にある、司法長官に対し、銃器の所有および譲渡の適格性(以下の「ブレイディー身元調査と記録の保持」の項を参照)の有無を判定する目的で行われた身元調査について、課税もしくは費用を負担させることを禁じる制限を法制化するものであった。
H.R. 1384 はフィル・ギングリー下院議員によって2005年3月17日に提出された。本法案は、銃規制法を修正し、連邦銃器ライセンス保持者が、双方の州法、すなわちライセンス保持者の事業所が所在する州の法律、およびライセンス保持者の顧客が居住する州の法律に違反しない限り、いかなる銃器であっても、ライセンス保持者が州外居住者にこれを譲渡することを可能にするものであった。現行法ではライセンス保持者は、譲渡が対面取引の場合のみ、しかも長銃に限り州外居住者に譲渡することが許されている。 H.R. 138 が成立していれば、連邦銃器ライセンス保持者は拳銃も州外居住者に譲渡することができるようになっていた。
さらに H.R.1384 は、連邦銃器ライセンス保持者が、州外の銃展示会あるいは同様の催しにおいて、双方の州法に適合している限り、別の連邦銃器ライセンス保持者にいかなる銃器でも譲渡することができるようにするものであった。現行法では連邦銃器ライセンス保持者は、州外の銃展示会において銃器の陳列、受注は許されているが、その後の銃器の譲渡は事業の場所に戻ってから着手しなければならない。
支持者によると、本法案は、このような銃器の州際輸送に対する連邦要件を撤廃し、またこのような銃器が輸送中に盗難に合う危険を減らすことができるとしている。反対者は従来の拳銃の州際輸送の連邦要件を緩和すれば、両州で身元調査が必要になると論じている。さらに反対者は、これらの要件の緩和は違法な銃器密売者によって悪用される可能性があるという観点に立っている。H.R. 1384 は2006年5月18日に小委員会のマークアップで承認されたが、この法案に対するそれ以上の措置は講じられなかった。
H.R. 1415 はキャロライン・マッカーシー下院議員とジョン・ディンゲル下院議員が共同発議した。特に本法案は、(1)ブレイディー法を修正し、NICSに含めることを目的に、ある人物が武器の入手に関して適格であるかどうかを決定する際に利用した関連情報を含むあらゆる政府記録の提供を政府機関に義務付け、これを保護することを司法長官に義務付ける、(2)ある人物を銃器の取得について不適格とする特定の記録、特に家庭内暴力に関連する軽犯罪での有罪判決に関するもの、および知的障害と宣告された人物に関する記録を司法長官に提出することを各州に義務付ける、(3)州、裁判所、地方自治体がかかる自動記録システムを確立、あるいは改善するのを支援する助成プログラムについて歳出を認めるものであった。 H.R. 1415 は2006年5月18日の小委員会のマークアップで承認されたが、当議案に対するそれ以上の措置は取られなかった。63 マッカーシー下院議員はこの法案 (H.R. 297) を第110議会で再提出した。



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