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第2章・州司法制度の歴史と組織
目次
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州裁判所は、連邦裁判所法廷よりも、はるかに多くの訴訟を審理する。絵は、タラハシーにあるフロリダ州最高裁判所の建物を描いたもの。(協力:フロリダ州最高裁判所歴史協会、Tallahassee)
自州の「最終審裁判所」であるニューハンプシャー州最高裁判所で弁論を行う、エドワード・クランシー弁護士(左)。(AP/WWP)
ワシントン州最高裁判所の謀殺事件公判で、量刑審査の最終弁論を行う被告側弁護人のロジャー・ハンコ。(AP/WWP)
死刑判決の上訴裁判で、弁論に耳を傾ける(左から右へ)ニューヨーク州控訴裁判所のジ ョージ・バンディ・スミス裁判官、ジュディス・S・ケイ首席裁判官、ハワード・A・レバイン裁判官。(AP/WWP)
州裁判所は、年間、数百万件もの訴訟を審理している。その中には、ウェストバージニア州マーティンズバーグにあるバークリー郡裁判所のような施設もある。評価は、「歴史がある」「魅力がある」「不適切」などとさまざまだ。(AP/WWP)

   連合規約や1787年の合衆国憲法起草の以前にも、それぞれの開拓地は、主権を持つ国として、すでに成文憲法を持っていた。

   かくして、州裁判所制度の発展ぶりは、開拓時代から、現在に至るまでたどることができる。


州裁判所の歴史的発展

   裁判所の組織ということになると、全く同じ組織を持つ州は2つとない。各州は、自ら選んだ組織の作り方を採用し、望むだけの数の裁判所を設置し、好きなように名称をつけ、それぞれの州が適切と考える管轄権を設定することができる。従って、州裁判所の組織は、必ずしも、連邦レベルで見られるような明確な三重構造になっているわけではない。例えば、連邦制度では、事実審裁判所は地方裁判所と呼ばれ、上訴裁判所は巡回裁判所として知られている。しかし、巡回裁判所が事実審裁判所でもある州は、10以上に上っている。その他のいくつかの州は、自州の主要な事実審裁判所を呼ぶのに、上級裁判所という名称を使っている。恐らく、最も誤解されやすいのがニューヨーク州だ。同州では、主要な事実審裁判所を最高裁判所と呼んでいる。

   州裁判所の組織は、じつに難解である。しかし、その重要性については疑う余地はない。州の制定法が規定する範囲は、連邦レベルより広く、その対象は、最も基本的な個人の間の関係から、州の最も重要な政策に至るまで、あらゆるものを含んでいる。このため、州裁判所が扱う訴訟の範囲は多岐にわたっており、また、州裁判所で一年間に争われる訴訟件数は、連邦裁判所で判決が下る訴訟件数をはるかに凌いでいる。

開拓時代

   開拓時代の政治権力は、英国国王に任命された総督に集中していた。総督が行政、司法、立法の機能をすべて握っていたので、複雑な裁判制度は必要なかった。開拓時代の司法制度の最下位に位置づけられる機関は、治安判事と呼ばれる地方裁判官で構成され、植民地の総督によって任命されていた。制度上、その上の段階には、郡裁判所が設置され、植民地の一般的な事実審裁判所の機能を持っていた。これらすべての司法機関の判決に対する上訴は、最高レベル、すなわち総督とその参議会に持ち込まれた。この時代に大陪審と小陪審の制度も導入され、今日でも、合衆国司法制度の際だった特徴となっている。

   18世紀初頭までの間に、法曹界の仕事は変化を始めた。英国の(ロンドンにある4つの)法曹学院で訓練を受けた法律家の数が多くなり、その結果として、植民地の訴訟手続きは徐々、により洗練された英国の普通法(コモンロー)に置き換えられていった。

初期の州裁判所

   米国独立戦争(1775~1783年)の後、政府権力は、立法機関の手に移っただけでなく、その権限も大幅に縮小された。植民地時代を経験していた人たちの多くは、法律家やコモンローに対して不信感を抱いていたため、彼らは 司法組織を拡げ、独自性を与えることに消極的だった。州の立法機関は、裁判所の動きを注意深く監視し、場合によっては裁判官を解任したり、判決内容が不評であることを理由に、特定の裁判所を廃止したりすることもあった。

   裁判所が立法府の決定に対して、憲法違反の判断を下すようになると、司法への不信感はますます募っていった。立法府と裁判官たちの間では、しばしば相反する利害に根ざす対立がいっそう顕著になった。立法府は、債務者に配慮する政策に傾きがちだった。これに対して裁判所が下す判断は、一般的に、債権者の考えを反映していた。この違いは大きな意味を持っていた。なぜなら、デービッド・W・ノイバウアー(David W. Neubauer)が著書『アメリカの裁判所と刑事裁判制度』(America’s Courts and the Criminal Justice System)の中で述べているように、「立法権と司法権の対立をめぐるこの対立から…裁判所は、徐々に独立した政治機関として台頭した」からである。

現代の州裁判所

   南北戦争(1861~1865年)から20世紀初頭にかけて、州裁判所は、ほかにも問題を抱えることになった。工業化の進展と、都市部の急速な成長により、新しい種類の法律紛争が次々に発生するようになり、裁判はますます長期化し、複雑化したため。州の裁判制度は、当時の地方農村社会の紛争処理を主眼に作られていたため、対応に苦慮し、未審理の訴訟が山積するという危機に直面した。

   ひとつの解決策は、増加する訴訟を処理するために、新しい裁判所を設置することだった。既存の裁判所に加えて、裁判所が新設された。特定の地理的区分を管轄する裁判権を持つ新たな裁判所を追加するという戦略もとられた。さらには、審理する事件を特定の訴訟に限定した専門法廷も設置した。例えば、少額裁判所、少年裁判所、家庭裁判所などが重要性を増していった。

   個々の必要に対応した州や地元の裁判所が、無計画に肥大化した結果、多くの人が指摘する、いわゆる司法制度の断片化が作り出された。しかし事実審裁判所の増殖は、この状況が生んだ一側面でしかない。多くの裁判所はごく幅の狭い管轄権しか付与されなかった。それに加えて、さまざまな裁判所の管轄権は、しばしば互いに重複していた。

   20世紀初頭、こうした州裁判制度の断片化状態は、いかにも拙い、と非難の声が出始めた。そうした背景の下で提唱された改革計画は、一般に、裁判統一運動として知られている。裁判所の統一を支持して、真っ先に賛成の声をあげた著名な法学者は、ハーバード・ロースクールの学長だったロスコー・パウンド(Roscoe Pound)である。パウンドらは、事実審裁判所を単一の裁判所のグループとして統合するか、ないしは、重要案件を審理するグループと、軽微な案件を審理するグループの2つに分けることを提唱した。

   裁判所の統一には、反対の声が数多く上がった。多くの法廷弁護士は、毎日のように裁判所に通っていて、既存の法廷組織に慣れているため、変更には反対だった。裁判官やその他の裁判所関係者の中にも、改革に反対するものがいた。彼らの反対は、しばしば不安に根ざしたものだった。別の裁判所への異動もあるだろう、新しい手続きをこれから覚えなくてはならない、専門外の事件を判断せざるを得なくなる―など、あれこれ心配したのである。こうしたことから、裁判所の統一運動は、多くの人々が期待したほど成果は上がらなかった。しかし、裁判所改革の提唱者たちは、いくつかの州では勝利を収めている。

州裁判所の組織

   いくつかの州が統一裁判制度の方向へ動き始めたが、その一方では、今でも、管轄権が重複し、わかりにくく複雑な裁判所を運営している州もある。州裁判所は大別して、4種類の一般的なカテゴリー、あるいはレベルに分類できよう。すなわち、限定的な管轄権を持つ事実審裁判所、一般的な管轄権を持つ事実審裁判所、中間上訴裁判所、そして最終審裁判所である。

限定的な管轄権を持つ事実審裁判所

   限定的な管轄権を持つ事実審裁判所は、毎年、米国内の膨大な数の訴訟を扱っており、その割合は全裁判所の90%を占める。名称はさまざまで、治安判事裁判所(justice of the peace courtないし magistrate court)、都市裁判所、市裁判所、郡裁判所、少年裁判所、家庭裁判所、首都圏裁判所などが一般的なものである。

   こうした裁判所が審理する訴訟は軽微な事件に限られる。例えば、刑事訴訟では、州裁判所は3つのレベルの違法行為、すなわち、違反行為(最も軽いもの)、軽罪(より重いもの)、重罪(最も重いもの)を審理する。限定的な管轄権を持つ事実審裁判所は、違反行為と軽罪を扱い、限られた額の罰金(通常1,000ドル以下)や実刑判決(通常1年以下)を科すだけである。民事事件では、こうした裁判所の管轄は、例えば500ドルといった一定額以下の紛争審理に限られる。さらに、この種の裁判所の管轄は、しばしば特定の種類の事柄、例えば交通違反や家庭内の問題、少年少女に関する事件などに限定される。

   限定的な管轄権を持つ裁判所は、多くの場合、一般的な管轄権を持つ事実審裁判所と異なり、正式記録を残さない。訴訟手続が記録されないことから、この種の裁判所が下す判決に対する上訴審理は、覆審(trial de novo)(あらためて初めから行う法廷審理)と呼ばれ、通常、一般的な管轄権を持つ事実審裁判所が審理する。さらに、限定的な管轄権を持つ事実審裁判所のもう一つの特徴は、しばしば担当判事に正式な訓練の経験が、いっさい要求されないことである。

   この種の裁判所の多くは、人材や設備の不足に悩んでいる。常設の法廷として常時使える場所がなく、食料雑貨店や飲食店、あるいは個人の自宅に集まって行われることも少なくない。書記がいないため、適切な記録を取れないことが頻繁にある。この結果、訴訟手続きは略式になり、いくつもの審理がまとめて処理される。完全な形の審理はまれで、訴訟は手早く片付けられてしまう。

   最後に、いくつかの州では、限定的な管轄権を持つ事実審裁判所が、重罪刑事事件の予備審問の場に使われている。これらの裁判所では、しばしば、罪状認否手続きや保釈金の設定、貧困な被告人のための弁護士の任命、そして予備審問を行っている。その後、事件は一般的な管轄権を持つ事実審裁判所に移送され、申し立てを開いたり、公判、刑の言い渡しが行われたりする。

一般的管轄権を持つ事実審裁判所

   たいていの州は、重罪刑事事件と民事事件を審理する主要な事実審裁判所を複数設置している。さらに、多くの州では、少年刑事犯罪、家庭内の問題、そして遺言の検認など特定分野の審理は、一般的管轄権を持つ事実審裁判所が担当している。

   こうした裁判所は、ほとんどの州で、控訴裁判所としての機能を持つ。そして、限定的な管轄権を持つ事実審裁判所の特定の訴訟について、控訴を審理する。こうした控訴は、しばしば覆審として、すなわち、一般的な管轄権を持つ事実審裁判所で、再度始めから審理し直される。

   一般事実審裁判所は、通常、管轄地区型と巡回型の2つに分類される。訴訟手続きは州により異なるが、地区や巡回範囲を決める際には、郡ごとか、あるいはいくつかの郡単位というように、既存の行政上の境界を利用することが一般的である。農村部では、裁判官は巡回裁判を開き、定められたスケジュールに従って、担当地域内のさまざまな場所で開廷する。しかし都市部では、裁判官は年間を通して決められた場所で開廷する。大きな郡では、裁判官たちが専門分野ごとに分かれて担当しているところもある。民事事件のみを審理する裁判官もいれば、刑事訴訟を専門に担当する者もいる。

  このレベルの裁判所の名称はさまざまである。最も一般的なものは、地区、巡回、そして高等という呼び名がついている。すべての州で、このレベルの裁判官には、法律の学位取得義務が法令で定められている。また、これらの裁判所は正式記録裁判所なので、いつも書記の助けを必要としている。

中間控訴裁判所

   中間控訴裁判所は、州裁判所の中では、比較的まだ新しい顔である。1911年の時点では、こうした裁判所はわずか13カ所しかなかったが、1995年までに、中間控訴裁判所を創設した州は39に上った。中間控訴裁判所の基本的な目的は、州の最高裁判所の負担を軽減することである。

   こうした裁判所は、別のいくつかの名称で呼ばれることもあるが、たいていは、控訴裁判所と呼ばれている。たいていの州には、州全体を管轄するひとつの控訴裁判所がある。中間裁判所の規模は州によって異なる。例えば、アラスカ州の控訴裁判所には裁判官が3人しかいない。その逆の極端な例がテキサス州で、控訴裁判所の裁判官は80人に上る。州によっては、中間控訴裁判所の判事全員で裁判するところもあるし、別の州では、担当裁判官は固定しているところもあるし、輪番で行うところもある。

最終審裁判所

   最終審裁判所は各州にある。オクラホマ州とテキサス州には最高裁判所が二つある。両州とも、民事事件の上訴に限定された裁判権のみを持つ最高裁と、刑事事件に限り上訴可能な刑事上訴裁判所がある。たいていの州は、自州の最上位裁判所を最高裁判所(supreme court)と呼んでいる。いくつかの州の例を挙げると、メリーランド州とニューヨーク州では、控訴裁判所(court of appeals)、メーン州とマサチューセッツ州では、最高司法裁判所(supreme judicial court)、ウェストバージニア州では最高控訴裁判所(supreme court of appeals)という名称で呼んでいる。最終審裁判所の構成は、裁判官(州によっては<judge>でなく<justice>と呼んでいるところもある)の数が3人から9人までとさまざまである。通常、裁判官全員による「大法廷」は州都で開廷するが、必ずしもいつも州都で開くとは限らない。

   最上位の裁判所は、州法に関する事件について裁判権を持ち、当然こうした問題に関する最終的な仲裁人である。中間控訴裁判所を持つ州では、最高裁判所で行われる訴訟は、主としてこうした中間レベルの裁判所が出した判断をめぐるものである。この場合、州の最高裁は、通常、どの控訴事件を審理するかを決める裁量権が認められている。かくして、州最高裁は、当該州の重要な政策問題について判断するうえで、十分な時間を割くことができる。中間控訴裁判所が設置されていない州では、一般的に控訴事件は、州の最上位の裁判所が受理し、義務として審査することになる。

  州の最終審裁判所は、多くの場合、連邦最高裁との類似点が多い。とりわけ、どの上訴案件を重点的に審理するかの決定で、十分な裁量権を持つという点で類似している。たいていの州最高裁は、連邦最高裁の訴訟手続きに従って審理している。すなわち、ある事件の審査が受理されると、対立する当事者達は準備書面を提出し、後日、口頭弁論を行う。判決に至ると、裁判官はその決定理由を述べた書面を交付する。

少年裁判所

   米国民の間では、少年事件の裁判手続きへの関心が高まっており、各州はこの問題にさまざまな形で対応している。少年事件を専門に審理する全州規模の裁判所網を作った州もかなりある。ロードアイランド州とサウスカロライナ州の2州には家庭裁判所があり、少年事件と同時に、家庭内の係争事件も扱っている。

   最も一般的な対応は、限定的な管轄権、ないしは一般的管轄権を持つ州内の事実審裁判所の中から、1、2カ所ないし数カ所の裁判所を選んで、少年事件を審理する管轄権を与えることである。例えば、アラバマ州では、巡回裁判所(一般的管轄権を持つ事実審裁判所)が少年事件の裁判権を持つ。しかしケンタッキー州では、少年事件専門の管轄権は、限定的管轄権を持つ事実審裁判所、すなわち地裁に付与されている。

  最後に、少年事件の裁判権を複数の種類の裁判所に割り当てている州がいくつかある。コロラド州には、デンバー市少年裁判所があるが、州内の他の地域の地方裁判所(一般的管轄権を持つ事実審裁判所)にも少年事件の裁判権が与えられている。

  また、裁判権がいつ成人法廷に及ぶか、つまり被告が何歳になったときに、成人として裁判にかけられるか、についても、州によっていくらかの幅がある。各州は、被告が成人法廷で裁判を受ける標準年齢をそれぞれ定めている。加えて、特別な状況があった場合には、成人法廷が審理する少年犯罪の件数をさらに増やす必要があると多くの州が考えている。たとえば、イリノイ州では、成人法廷に少年裁判権が移送される標準年齢は17歳である。この年齢制限は、第1級謀殺、加重暴行、持凶器強盗、銃器類を所持した強盗、学校構内での武器の不法使用などの場合は、15歳まで引き下げられる。

州の司法組織における事務的および人的支援

  連邦裁判所の日常業務では、多くの個人や組織の労力を必要とする。これは、州の法廷制度でも同じである。

下位裁判所裁判官

   州の「magistrate」(下位裁判所裁判官)は、州によっては「commissioner」(補助裁判官の意)とか「referee」(審理人の意)と呼ばれ、民事および刑事事件で初期段階の訴訟手続きを担当する。従って彼らの役割は「U.S. magistrate judge」(合衆国治安判事)と同様である。管轄権によっては、刑事事件で、保釈審問を行い、予備捜査を行う場合もある。また、いくつかの州では、軽微事件の判決を下す権限を与えられている。

法律事務官

   州裁判所に法律事務官がいるとすれば、それはたいてい中間控訴裁判所や最終審裁判所である。ほとんどの事実審裁判所は、こうした法律事務官は使わず、限定的な管轄権を持つ地方事実審裁判所にいるなどということは事実上、聞いたことがない。全国レベルでみると、法律事務官は個々の裁判官を助けることもあるし、職員弁護士として裁判所全体の補助をすることもある。

裁判所の事務局

  控訴裁判所が再審理する訴訟のほとんどは、連邦地方裁判所から上がってくる。下位裁判所の決定に不服の訴訟当事者は、同裁判所を管轄する巡回区の控訴裁判所に上訴することができる。控訴裁判所は、特定の行政機関の決定を再審理する権限も与えられている。 いまでは各州とも、州裁判所制度に関する各種の事務を行う裁判所事務局、または同じような名前のついた機関を持っている。事務局が通常担当する仕事には、予算編成、情報処理、施設管理、司法教育、広報、調査、そして人事管理がある。いくつかの州では、少年事件や成人に対する保護観察も事務局の仕事である。同様に裁判以外の紛争解決も、事務局が担当する。

裁判所書記官および裁判所事務官

   裁判所書記官は、伝統的に法廷の日常業務を行ってきた。彼らの仕事の内容は、法廷内の整理、訴訟手続きの記録保存、法廷の決定に基づく命令書や判決文の準備、罰金や法廷手数料の徴収、そして司法関係諸経費の支払いである。大半の州では、こうした役職者は選挙で選ばれ、ほかの肩書で呼ばれることもある。

   伝統的な裁判所書記官の仕事は、多くの地域で、裁判所事務官が代わりに行うようになった。裁判所書記官が、伝統的に特定の法廷の運営を引き受けていたのに対し、現代の裁判所事務官は、裁判長を補佐し、裁判所全体の運営に関して裁判長を補佐する場合もある。

州裁判所の仕事量

  

国の司法業務の大部分は、連邦レベルではなく、州レベルに存在する。連邦裁判所の裁判官が、年間、数十万件の判決を下しているという事実は印象的である。しかしながら、連邦レベルで最重要事件が処理されていることを差し引いても、州裁判所が、年間に扱う事件が数百万件にも及ぶということは圧倒的である。州レベルの治安判事裁判所は、比較的軽微な事件を審理するが、最も重要な民事の案件が、州の通常の事実審裁判所の陪審によって下されることがある。1988年、全米州法廷センター(The National Center for State Courts)は、州の最終審裁判所と中間控訴裁判所に申し立てられた訴訟件数をまとめてみた。州控訴裁判所に申し立てられた義務的受理訴訟や裁量上訴は、合計26万1,159件にも上った。州事実審裁判所に申し立てられた訴訟件数について信頼できるデータの入手はますます難しいが、全米州法廷センターは、州の事実審裁判所に関する数字の追跡に、成果を上げている。1998年、一般的管轄権を持つ裁判所と限定的管轄権だけを持つ裁判所に申し立てがあった訴訟件数は、1,725万2,940件だった。連邦裁判所と同様に、その大多数は民事事件だが、しばしば一般に注目されることが多いのは刑事事件である。






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